こんにちは、某法律事務所にて日々投資詐欺案件に携わっています、投太郎です。
最近、「ヘッジファンドって何ですか?」と聞かれることが多くなりました。
投資に興味を持ち始めた方が増えている証拠かもしれませんね。
そこで今回は、「ヘッジファンドとは?」をテーマに、初心者の方にもわかりやすく解説していきたいと思います。
この記事では、以下のようなポイントを一挙にまとめてご紹介します。
- ヘッジファンドとは?
- ヘッジファンドの利回りは?
- ヘッジファンドのメリットとデメリットは?
- ヘッジファンド投資をおすすめできない人ってどんな人?
この1記事を読めば、ヘッジファンドの基本がすべてわかるように簡潔にまとめていますので、最後までお付き合いください。
ヘッジファンドは、あなたのお金をファンドマネージャーと呼ばれる資産運用の専門家に運用してもらうことができるものです。
ヘッジファンドは、株式、債券、商品、外国為替市場、デリバティブ(金融派生商品)など、幅広い資産に投資をすることで、市場の変動に関係なく収益を生み出すことを目指しています。
要するに、あなたのお金を一番効率のいい投資方法で増やしますよってことですね!
以下に簡単な概念図を示します。
(引用:Media Argo「ヘッジファンドとは?魅力と注意点を専門家が簡単にわかりやすく解説」)
投資信託と似たような仕組みですが、一般的には下記3つに当てはまる金融商品をヘッジファンドと呼びます。
①私募の金融商品である
②富裕層向けの金融商品
③相対利益ではなく絶対利益を追求している
それでは、一つ一つ詳しくみていきたいと思います。
1-1 私募の金融商品である
金融商品には、誰でも購入できる「公募ファンド」と、限られた範囲で募集される「私募ファンド」の2種類があります。
ヘッジファンドは、一般募集をしていない「私募ファンド」です。
一般には募集しておらず、私的に募集しているから私募ファンドと呼ばれるようです。
私募ファンドにアクセスするには、通常、特定の紹介やコネクションが必要であり、普通の投資家が直接参加することは難しいことが一般的です。
1-2 富裕層向けの金融商品
ヘッジファンドは私募型の金融商品であり、少数の富裕層から数千万円単位で資金を集めて運用するのが一般的です。
これに対して、公募型金融商品である投資信託は、1円からでも購入可能なものが多く、幅広い層の投資家が参加できる仕組みになっています。
一方、ヘッジファンドでは最低投資額が高額に設定されているため、基本的には富裕層向けの商品と言えるでしょう。
ヘッジファンドが高額な最低投資額を設定する理由の一つに、運用コストの効率化があります。
少額投資家を大量に相手にすると、ファンドの運営にかかるコストが増えてしまいます。
そのため、資金力のある投資家を絞り込んで募集することで、効率的な運営を可能にしているのです。
私が調べた中で、国内ヘッジファンドの中でも比較的購入のハードルが低いとされるBMキャピタルでも、最低投資金額は1,000万円となっています。
こうした条件を見ると、ヘッジファンドは誰でも気軽に始められる投資ではありません。
まとまった余裕資金がないと手を出しにくいのが現実です。
1-3 相対利益ではなく絶対利益を追求している
投資には大きく分けて2つの利益の考え方があります。それが「相対利益」と「絶対利益」です。
相対利益:市場平均(マーケット全体の動き)と比較して、どれだけ儲かったかを基準とする利益の考え方。
絶対利益:市場の状況に関わらず、具体的な金額としてどれだけ儲けたかを基準とする利益の考え方。
多くの人が利用している一般的な投資信託は、この相対利益を目標に運用されています。
例えば、株式市場全体の動きを示す日経平均やS&P500などと比べて、どれだけパフォーマンスが良かったかを重視します。
ただ、これには少し厄介な面もあります。
市場が大きく下落した場合、「市場全体が下がったんだから、うちの投資信託も下がって当然でしょ?」と説明されてしまうことがあります。
つまり、市場の不調を言い訳にできるんですよね。
これが投資家にとって必ずしも誠実とは言えない部分だと感じます。
一方、ヘッジファンドはこの絶対利益を追求します。
市場が上昇しているときはもちろん、リーマンショックのような金融危機で市場全体が大きく下落しているときでさえも、あらゆる手法を駆使して利益を生み出そうとするのが特徴です。
実際に、リーマンショックのような未曾有の金融危機の中でさえ、+55%ものリターンを叩き出したヘッジファンドも存在しました。
市場全体が大暴落していたタイミングでこのような結果を出せるのは、まさにヘッジファンドならではの強みと言えるでしょう。
おまけ ヘッジファンドの特徴
あと、これは定義ではないのですが、とにかくすげー優秀な人たちが運営していることが多いですね。
ヘッジファンドのファンドマネージャーたちは、世界トップレベルの才能を持つ人材が集まっています。
彼らの多くは、ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学(MIT)などの一流大学を卒業し、その後ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーといった大手投資銀行で実績を積んだ後、ヘッジファンド業界に進むのが典型的なキャリアパスです。
さらに、中には数学の天才や、10代で億単位の資産を運用していたような逸材もいるんです。
これだけ優秀な人たちが集まるのは、自由な運用スタイルと高額な報酬が魅力的だからでしょう。
その優秀さは、彼らの年収を見れば一目瞭然です。
以下は、2018年のヘッジファンドマネージャー報酬ランキングの一部です(※1ドル=150円換算)。
順位 | ファンドマネージャー名 | 年収 | ヘッジファンド名 |
---|---|---|---|
1 | マイケル・プラット | 3000億円 | ブルークレスト・キャピタル・マネジメント |
2 | ジェームス・シモンズ | 2700億円 | ルネッサンス・テクノロジーズ |
3 | デビッド・テッパー | 2250憶円 | アパルーザ・マネジメント |
4 | ケネス・グリフィン | 2100億円 | シタデル |
5 | レイ・ダリオ | 1350億円 | ブリッジウォーター・アソシエイツ |
6 | イスラエル・イングランダー | 1300億円 | ミレニアム・マネジメント |
7 | ダニエル・ローブ | 1125億円 | サード・ポイント |
8 | スティーブ・コーエン | 1050億円 | ポイント72・アセットマネジメント |
9 | アンドレア・ハルボーセン | 900億円 | バイキング・グローバル・インベスターズ |
10 | クリストファー・ホーン | 900億円 | ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンドマネジメント |
ヘッジファンドは、資本主義社会の縮図とも言える存在です。
才能がある人材や優秀なプロフェッショナルは、自然と「お金が集まる場所」へ引き寄せられます。
ヘッジファンドは、その運用の自由度や高額な報酬により、世界中からトップクラスの人材を引きつける仕組みを作り上げています。
逆に言えば、結果を出せないファンドマネージャーはすぐに資金を引き上げられてしまう厳しい世界です。
その競争環境こそが、業界全体のレベルを引き上げている要因とも言えます。
2 ヘッジファンド利回りや手数料
ヘッジファンドの利回りはファンドによって異なりますが、一般的には年間10%~25%程度とされています。
高い利回りを目指す投資家にとっては魅力的に映る数字ですね。
世界最高峰のヘッジファンドの一つとされるブリッジウォーター・アソシエイツと、株式市場全体の動きを示すS&P500のチャートを比較してみると、その特徴がよくわかります。
ブリッジウォーターのチャートは、S&P500と比べてより安定して右肩上がりを描いています。
ヘッジファンドには独特の手数料体系があります。一般的に「2 : 20」と呼ばれる仕組みが採用されています。
信託手数料 2%:預けた資産に対して毎年支払う管理費用。
成功報酬 20%:運用益に対して支払う報酬。
この手数料体系は、特に数億円単位の投資が必要な海外の大型ヘッジファンドでよく見られるものです。
ただし、手数料の具体的な割合はファンドごとに異なるため、すべてのヘッジファンドがこの「2 : 20」を採用しているわけではありません。
私が購入しているBMキャピタルも独自の手数料体系を採用しており、「2 : 20」の海外型とはまた異なります。
このあたりの詳しい内容については、別の記事で具体的にご紹介しますので、興味のある方はそちらをチェックしてみてください。
BMキャピタルの実質利回りは10%前後!【手数料や税金を控除したケースを解説】3 国内に存在するヘッジファンドの具体例
「ヘッジファンド=海外のもの」というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、実は日本国内にも結果を出しているヘッジファンドがあります。
以下に、代表的な国内ヘッジファンドを3つご紹介します。
1位 : BMキャピタル | 2位 : タワー投資 | 3位 : みさき投資 | |
---|---|---|---|
おすすめ度 | |||
代表者名 | 森山武利 | 藤原伸哉 | 中神康議 |
運用開始 | 2013年 | 1990年 | 2013年 |
投資対象 | 日本上場株式 | 日本上場株式 | 日本上場株式 |
投資戦略 | ・日本株ロングショート ・割安中小株式 ・アクティビスト | ・日本株ロングショート ・割安中小株式 | ・アクティビスト ・エンゲージメント投資 |
年間平均利回り | 手数料控除後10%前後 | 非開示 | 非開示 |
最低購入金額 | 1,000万円 | 不明 ※ おそらく法人や超富裕層のみが数億円単位で購入可能 | 不明 ※ おそらく法人や超富裕層のみが数億円単位で購入可能 |
紹介者 | |||
メリット | ✅外銀出身の一流ファンドマネージャーが運用 ✅紹介者無しで1,000万円から購入可能 ✅底堅い運用を行っている | ✅年収100億円のサラリーマン、清原達郎氏が資産運用を行う | ✅「エンゲージメント投資」という考え方がファンド内にしっかり根付いており、それに沿った運用が可能 |
デメリット | 安定運用を重視しているため、年間利回り10%前後とヘッジファンドにしてはリターンが控えめ | HPを閉鎖しているため紹介者経由でしか問い合わせ不可 | HPはあるが、おそらく法人や超富裕層向けの資産運用しか行っていない |
詳細記事 | 詳細記事 | 詳細記事 | 詳細記事 |
公式リンク | bmcapital.jp | なし | misaki-capital.com |
これらのファンドは、最低投資金額や手数料の構造、運用方針が異なるため、自分の資産状況や投資目標に合ったファンドを選ぶことが重要です。
特に国内のヘッジファンドは情報が限られていることが多いため、信頼できる情報源を基にリサーチを行いましょう。
その他の国内ヘッジファンドについて詳しく知りたい方は、下記のランキング記事もぜひチェックしてみてください。
ネット上でここまで詳しく書いているサイトはほとんどないはずです。
「よくぞここまで調べた!」と唸ること、間違いなし!のはず(笑)
気になる方は下のリンクからどうぞ。
日本国内ヘッジファンドおすすめランキング1~3位【紹介なしでも個人購入可!】4 ヘッジファンドを購入する方法
「ヘッジファンドって富裕層専用だから、普通の人には買えないんでしょ?」
富裕層向けの商品だとは言いましたが、購入できるヘッジファンドも存在します。
もし興味のあるヘッジファンドがあれば、以下のようなポイントを調べてみると良いでしょう。
最低投資金額 :どのくらいの資金が必要なのか。
購入方法 :問い合わせフォームや紹介者が必要かどうか。
手数料の仕組み:管理費用や成功報酬などの詳細。
リターン実績 :過去のパフォーマンスや運用方針。
多くのヘッジファンドは情報が限られているため、公式サイトや評判を調べながら、直接問い合わせるのが一番確実です。
ちなみにBMキャピタルの購入方法は以下記事でまとめています。
【経験者が解説】BMキャピタル購入ガイド!問い合わせから購入までの具体的な流れ!5 ヘッジファンドのメリットとデメリット
これまでヘッジファンドについてざっくりとお話ししましたが、ここで一度、良い面と注意すべき点を簡単にまとめておきますね。
参考にしてみてください。
メリット
- ほったらかし運用が可能
- 世界最高クラスの頭脳を持ったファンドマネージャーが勝手に決めてくれる
- コロナショックのような経済危機に対する高度なリスクヘッジ
- 年利10%オーバーも現実的
デメリット
- 多少の手数料がかかる
- 最低投資額が高額(最低でも1000万円以上)
- 一定期間の投資したお金を取り崩しできないロックアップ期間があることがある
ヘッジファンドは確かに魅力的な面もありますが、誰にでも勧められるものではありません。
資産規模やリスク許容度をしっかり見極めた上で、必要なら専門家に相談してみるのも良いかもしれませんね。
6 ヘッジファンドがおすすめな人/おすすめできない人
それでは、ヘッジファンドがおすすめできる人とそうでない人を私なりに解説していきますね!
ヘッジファンド運用をおすすめしたいのは、1,000万円以上の余剰資金を持ち、2~3年という長期的な視点で安定的にお金を増やしていきたい方です。
このような方は、ヘッジファンドの特徴である「安定したリターンを狙う」運用方針と非常に相性が良いです。
ヘッジファンドは短期的なリターンを求めるよりも、時間をかけて着実に資産を増やすことが得意です。
そのため、しっかりと余裕資金を持ち、長期間運用を続ける覚悟がある方に最適です。
一方、ヘッジファンドをおすすめできないのは、以下のような人です。
1,000万円以上の余剰資金がない人
直近必要となるお金をかき集めて、ギリギリ1,000万円用意できる人
これらの方は、ヘッジファンドには向いていません。
なぜなら、ヘッジファンドは長期運用が基本であり、短期的に資金が必要な場合には向いていないからです。
例えば、半年のパフォーマンスだけを見て解約し、結果として手数料負けしてしまう可能性が高いです。
また、ヘッジファンドは流動性が低いため、すぐに現金化することが難しい場合もあります。
短期間で結果を求める方や、すぐにお金が必要になる可能性がある方には、リスクが大きいです。
7 今回のまとめ
今回は、ヘッジファンドについて初心者の方向けにわかりやすく解説してきました。
ヘッジファンドは富裕層向けの投資商品として知られていますが、国内外にさまざまな種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
以下でさらに詳しくヘッジファンドについてまとめた記事もあるので、興味がある方は読んでみてください。
【ヘッジファンド徹底解説】ヘッジファンド100社以上を調査した現役法律事務員が語ります!