こんにちは、某法律事務所にて日々投資詐欺案件に携わっています、投太郎です。
今回は、国内ヘッジファンドの一つ「ストラテジックキャピタル」について、いろいろ調べたことをまとめてみました。
最初に言っておきますが、この記事で「ストラテジックキャピタルが投資先としておすすめ!」とか推す内容ではありません。
私自身はインデックス投資が最強だと思っている派ですし、このファンドを積極的に勧める気は全くありません。
あくまで「こういう情報がありますよ」っていう事実を並べているだけです。
興味がなかったら時間の無駄になっちゃうかもしれないので、読まないほうがいいかも笑
ただ、「ストラテジックキャピタルってどんなファンドなの?」とか、「運用者や運用方法、評判が気になる!」って人には役立つ内容になっていると思います。
この記事では、ファンドの基本情報から、投資手法の分析まで、初心者でもわかりやすく解説していきます。
専門的な言葉を極力避けて、噛み砕いて説明しているので、気軽に読んでみてくださいね。
まずは、ストラテジックキャピタルの概要から見ていきましょう。
会社名 | 株式会社ストラテジックキャピタル |
代表 | 丸木 強 |
設立 | 2012年 |
会社住所 | 東京都渋谷区東3-14-15 MOビル6F |
電話番号 | – |
ホームページ | stracap.jp |
運用規模(AUM) | 260億円~ |
平均利回り | 15%前後 ※不確かな情報です。振れ幅大きめとの情報もあり |
手数料 | 不明 |
最低購入金額 | 数億円? |
ロックアップ | – |
ストラテジックキャピタルを一言で表すなら、「村上ファンド出身の丸木氏が率いる、アクティビスト型ヘッジファンド」です。
アクティビストファンドは、株主提案や議決権行使、TOB(株式公開買付け)など、株主の権利を積極的に行使して企業に働きかけます。
その目的は、企業の資本政策やコーポレートガバナンスを改善し、企業価値を最大化することです。
この手法を通じて、運用益を得るスタイルが特徴です。
詳しくは以下記事でも説明していますので、興味があれば覗いてみてください。
【現役法律事務員が徹底検証】BMキャピタルについてわかっていることを全部網羅的に解説してみたアクティビストとして有名な「村上ファンド」で培った経験とノウハウを活かし、現在の運用を行っています。
村上ファンドってなんか悪名だけが独り歩きしているから、印象良くないですよね笑
村上ファンドが世間で批判を受けた過去の経緯から、アクティビスト=「会社を荒らす存在」という偏見が残る風潮がありますが、個人的には、ストラテジックキャピタルのようなファンドが企業価値の向上を目指して活動することは、日本の金融市場の発展に必要不可欠だと思います。
例えば、株主目線での提案によって資本効率が改善されれば、企業の利益が増加し、それが市場全体の成長につながります。
また、ストラテジックキャピタルの社員の方々は、金融市場に対して熱い情熱を持っている方が多い印象です。
公式Twitterアカウントでも尖った発信をしており、アクティビストとしての姿勢を垣間見ることができます。
興味がある方はチェックしてみると、彼らの考え方やスタンスがよくわかると思います。
ストラテジックキャピタルのTwittrerアカウントはこちら
と思いましたが、2024年現在閉鎖されてしまったようです、、、
2 ストラテジックキャピタルの代表
ストラテジックキャピタルの代表を務めるのは、元村上ファンドの主要メンバーでもある丸木強氏です。
彼の経歴を詳しく見ていきましょう。
1983年 | 東京大学法学部卒業→野村證券新卒入社 |
1999年 | 株式会社M&Aコンサルティング(後のMACアセットマネジメント 通称村上ファンド)を村上氏、滝沢氏と共に設立 |
2007年 | 村上ファンドの解散手続きを行う |
2012年 | ストラテジックキャピタル設立 |
丸木氏は、東京大学法学部を卒業後に野村證券へ入社。
キャピタルマーケット部門に所属し、資金調達やM&A案件などに携わる重要な役割を担っていました。
野村證券でのキャリアは16年に及び、最終的には次長にまで昇進しています。
その後、経済産業省出身の村上世彰氏、警察官僚出身の滝沢氏とともに、1999年にM&Aコンサルティング(後の村上ファンド)を立ち上げます。
このファンドは、アクティビスト活動を通じて日本企業に働きかけ、多くの注目を集める存在となりました。
しかし、2006年のいわゆる「村上ファンド事件」によって、ファンドは解散を余儀なくされます。
この際、丸木氏は責任を持って投資家への資金返還手続きを最後まで担当しました。
事件後、丸木氏は一時的に意気消沈し、「チョコレートの輸入販売」などの新たな事業にも挑戦していました。
しかし、その後も「不完全燃焼だった」という思いが残り、2012年にアクティビストファンドとしてストラテジックキャピタルを設立します。
インタビューでは以下のように語っています。
――村上ファンドの事件後、なぜまた投資の世界に戻ったのか。
インタビュー:現金持ち過ぎ企業、株主還元を=村上ファンド出身の丸木氏
「不完全燃焼だったという思いがある。2006年に(村上氏が)起訴され、07年春まで投資家に資金を返す仕事を責任を持ってやった。その後、意気消沈していた時期もあった。違う仕事をしようと思い、チョコレートの輸入販売なども手掛けた」
3 ストラテジックキャピタルの投資手法
ストラテジックキャピタルが採用している投資手法は、アクティビスト型投資です。
この手法は、株主提案や議決権行使を通じて企業に働きかけ、資本政策やコーポレートガバナンスを改善し、最終的に企業価値(=株価)を向上させることで利益を得るというものです。
ストラテジックキャピタルが過去に行った実例として、株式会社ワキタへの株主提案があります。
以下は、実際に提示された提案内容の一部です。
株主提案1.弊社代表を取締役として選任すること
ワキタの株主価値向上に向けて
株主提案2.配当性向を100%とすること
株主提案3.加重平均資本コストを開示すること
株主提案4.代表取締役社長の報酬を開示すること
株主提案5.政策保有株式の縮減に向けて行動すること
ワキタに対する株主提案はこちらのサイトに詳しくまとまってあります。
金融の知識がある方は是非読んでみてください。
これらの提案は、ワキタの株主価値を高めるために具体的な改善点を示したものです。
企業の資本効率や透明性を向上させることで、長期的な株価上昇を目指す意図が伺えます。
アクティビスト型投資には、通常の投資手法と異なり、時間と労力が大きくかかるという特徴があります。
企業の経営方針を変えるためには、詳細な調査や提案内容の準備が不可欠であり、さらに株主総会での議論や賛同を得るプロセスも必要です。
そのため、ストラテジックキャピタルのようなアクティビストファンドでは、投資先を厳選する傾向があります。
たとえば、2016年時点でストラテジックキャピタルが投資していた企業は、8~10社程度だったそうです。
このような集中投資は、物理的な制約やリソースを考えると非常に合理的な戦略と言えるでしょう。
4 大量保有報告書の調査
上場企業の株式を5%以上保有する場合、金融商品取引法に基づき5営業日以内に大量保有報告書を提出する必要があります。
これはストラテジックキャピタルのようなヘッジファンドにも適用される義務です。
この報告書を確認すると、ストラテジックキャピタルが過去にどのような企業の株式を組み入れていたのかが分かります。
また、報告書には取得時の状況も記載されており、そこから推定取得株価を把握することが可能です。
株式投資をされている方にとっては、参考になるデータと言えるでしょう。
ストラテジックキャピタルの過去組み入れ銘柄一覧を以下にまとめておきます。
企業名 | 推定取得株価 | 書類開示日 |
---|---|---|
京阪神ビルディング(8818) | 808円 | 2018年1月17日 |
世紀東急工業(1898) | 678円 | 2018年2月26日 |
有沢製作所(5208) | 736円 | 2019年7月31日 |
ワキタ(8125) | 919円 | 2020年11月11日 |
文化シャッター(5930) | 948円 | 2021年3月11日 |
タチエス(7239) | 1196円 | 2021年3月15日 |
日本証券金融(8511) | 793円 | 2021年5月21日 |
極東開発工業(7226) | 1655円 | 2021年5月28日 |
ダイドーリミテッド(3205) | 144円 | 2022年11月25日 |
過去の組み入れ銘柄を見ても、比較的小型~中型の企業が中心であり、これらの企業には資本政策に改善余地があると判断された可能性が高いです。
5 ストラテジックキャピタルの口コミ
ストラテジックキャピタルの口コミをいろいろ調べてみましたが、全体的に好意的な意見が多い印象です。
大きな批判的な口コミはほとんど見当たりませんでした。
実際にどんな口コミがあるのか、いくつかピックアップして紹介していきます。
6 ストラテジックキャピタルのメリットとデメリット
最後に、このファンドのメリットとデメリットをざっくりまとめてみました。
もし投資を検討する場合は、これらのポイントを踏まえて、自分の投資スタイルや資金状況と合うかどうかを慎重に判断してください。
メリット
- 徹底したアクティビスト活動の恩恵を受けることができる
デメリット
- 金融資産&保有不動産が数億円単位ないと購入することが難しいとの情報あり
7 今回のまとめ
今回はストラテジックキャピタルの評判についてまとめてみました。
ストラテジックキャピタルですが、個人で投資しようと考えた場合、最低でも数億円の資金が必要になる可能性が高いみたいです。
正直、これだけハードルが高いと、個人投資家にとっては手が届きにくいですよね。
それにしても、こういう高いハードルを設けたファンドを見るたびに、どうやって資金を集めているんだろうと考えてしまいます。
やっぱりメインターゲットは機関投資家とか、超富裕層なんでしょうね。
それでも、正直なところ、そういった人たちもインデックス投資みたいな「手数料が安くて安定している」選択肢を選ぶほうが理にかなっている気がします。
だって、投資の名著『敗者のゲーム』にも書かれているように、プロの投資家ですら市場に勝つのは本当に難しいのが現実なんですよね。
100年前、株取引の90%は一般の人たちによるものだった。
こうした状況では、プロの投資家は早く情報を入手できるので有利と考えられ、インデックス投資よりよい結果を残すこともできた。
しかし時がたつにつれて、ほとんどの人が投資信託や株価指数連動型上場投信に投資するようになり、現在で90%以上の取引が、プロの機関投資家によって行われるようになった。
そうなると、どんなに敏腕のプロも市場に勝っことはとても難しい。
(引用:チャールズ・エリス「敗者のゲーム」)
なので、正直なところ、特別な理由や強い思い入れがない限り、ヘッジファンドに投資する必要はないんじゃないかな、と個人的には思います。
…とは言いつつ、実は僕自身はBMキャピタルというヘッジファンドに投資しているんですけどね笑
なんでかというと、これまでいろいろなヘッジファンドを調べてきた中で、BMキャピタルの投資手法は理論的にも納得できる部分が多いと感じたからです。
それは、株式投資の王道とも言える「バリュー投資」を、とにかく愚直に追求している姿勢にあります。
さらに、運営陣の経験や考え方、過去の運用実績を見ても「これなら納得できる」と思えたんですよね。
特にすごいなと思ったのが、市場が大荒れしているときでもしっかりプラスを出している点です。
こういう局面で結果を残せるのは本当に魅力的です。
まあ、インデックス投資で十分だと思ってもいますし、BMキャピタルを選んだのも、たまたま見つけただけですし、誰にでもオススメするわけじゃないです。
ただ、もしBMキャピタルに興味がある人がいたら、詳しくまとめた記事もあるので、良ければそっちもチェックしてみてください。
【現役法律事務員が徹底検証】BMキャピタルについてわかっていることを全部網羅的に解説してみた