こんにちは、某法律事務所にて日々投資詐欺案件に携わっています、投太郎です。
今回は、何度かこのサイトで取り上げている国内ヘッジファンドBMキャピタルについて、「どんな人に向いているんですか?」っていう質問があったので、それをわかりやすく解説してみようと思います。
BMキャピタルに投資することがすべての人にとっておすすめかと聞かれると、正直そうではないんです。
投資というものは、スタイルや目的に応じて、向き不向きがあるものですからね。
いつもお伝えしていますが、私はインデックス投資で十分と考えているので、「インデックス投資の安定感を超えて、さらに高い利回りを求めたい!」という人にとっては、BMキャピタルは選択肢の一つになってくるのかなくらいに思っています。
ここでは、簡単にBMキャピタルについて説明しておきますね。
BMキャピタルは、東京大学や京都大学を卒業し、外資系投資銀行や海外ヘッジファンドの実務経験を有する経験豊富なメンバーが運用しているそうです。
独自の投資哲学「損失を出さない」という理念に基づいて、長期的な視点で運用を行うことで、優れた投資成果を上げているとのこと。
以下にBMキャピタルの概要をまとめました。
「損失を出さない」安心の資産運用!
平均年利10%越を10年以上継続!
項目 | 内容 |
---|---|
社名 | BMキャピタル |
創業年 | 2013年 |
創設者 | ファンドマネージャーと同様 |
ファンドマネージャー | 戦略的な理由から非公開 |
本社所在地 | 東京都港区六本木7-17-10-418 |
運用資産総額(AUM) | 約100億円(2024年4月時点での推定値) |
主な投資戦略 | バリュー投資、日本株ロングショート、割安中小株式、アクティビスト |
年平均リターン | 年平均リターンは10%前後 |
ロックアップ期間 | 四半期 |
主要な投資分野 | 日本株 |
最小投資額 | 1000万円 |
手数料 | 申し込み手数料:5% 管理/成功報酬:6%〜(運用期間の中で最も高かった成果を超える場合にのみ成功報酬が発生。) |
運用ファンド | BMキャピタル |
注目すべき実績または事例 | 過去マイナスを出した年はなく、平均利回り10%以上。 コロナショックでもマイナスを出していない超優秀ファンド。 |
手数料 | 管理手数料:約5% 成功報酬:「運用利益」の30%〜50% |
公式サイト | BMキャピタルの公式サイト |
BMキャピタルは、上記の文言の通り、2013年の運用開始以来、年間利回りがマイナスになったことがないという有料ヘッジファンドです。
2 BMキャピタルはあなたに向いてる?
それでは、向いている人とそうでない人を私なりに解説していきますね!
2-1 向いてる人
以下の特徴に当てはまる人には、BMキャピタルがフィットしやすいのではないでしょうか。
2-1-1 資産が2000万円以上の人
BMキャピタルは最低購入額が1,000万円からですので、資産に余裕がある方向けのファンドです。
個人的には、余剰資金の30〜50%をヘッジファンドに回すとバランスが取れた運用になると感じています。
そのため、2,000万円以上の余剰資金がある人には向いていると思います。
2-1-2 ほったらかしでインデックス投資よりも高い利回りを目指す人
「投資に興味はあるけど、自分で管理するのはちょっと・・・」という方や、「仕事で忙しいし、投資の勉強までやってられない」という方は、向いているかと思います。
プロのファンドマネージャーが全部やってくれるので、自分で市場分析をして株価や為替の動きを追う必要もありません。
ただ、それならインデックス投資も同じなので、インデックス投資でいいと思います笑
特に余裕資金が少ない方なら、まずはインデックス投資が現実的な選択肢でしょう。
世の中の多くのファンドが結局インデックスに負けると言われています。
例えば『敗者のゲーム』の著者であるチャールズ・エリスも、同様のことを述べているので、引用します。
運用成績を測定している会社のデータは、運用機関の成績が期待外れであることを示している。
実績を見る限り、ほとんどの投資信託、年金や財団などの機関投資家も市場に勝てていない。
市場平均を上回るような成績が時折見られることもあるが、長くは続かない。
「市場平均を上回る」 という目標に反して、アメリカのプロの運用機関は、全体的に見ると市場に負けている。
(中略)
短期的にはマーケットに 「勝つ」 ことのできる投資信託はあっても、長期間にわたり市場平均以上の成績を出せる投資信託はきわめて限られている。
競争の激しい今日の市場で、市場平均を長期的に上回るマネジャーはきわめて少ない。
(引用:チャールズ・エリス「敗者のゲーム」)
とはいえ、実際には、一部のヘッジファンドがインデックス投資を上回る成果を出しているのも事実で、そこに魅力を感じて「インデックス投資よりいいかも」と思う人が向いているでしょう。
2-1-3 3年以上の長期投資を考えられる人
BMキャピタルの投資手法はバリュー投資で、じっくり時間をかけるスタイルです。
荒れ狂う株式市場を支配するバリュー投資とは?BM CAPITALも採用する「割安銘柄の長期保有」という投資戦略の実態長期的に資産形成を目指す方にはぴったり。
3年以上はじっくり腰を据えて投資できる方に向いているといえます。
まさに「石の上にも三年」という考えができる人向けです。
2-1-4 固くリスクの無い運用をしたい人
通常、リスクとリターンは表裏一体で、低リスクだとリターンも小さくなるものですが、一部の優秀なヘッジファンドではリスクを抑えながらも市場平均を上回る成績を上げているところもあります。
つまり、預金並みの安全性で、株式以上の利益が得られる「ローリスクハイリターン」ということです。
個人的にはBMキャピタルもその一部の優秀なヘッジファンドだと考えています。
2-1-5 専門的な投資手法について勉強したい人
ファンドの運用内容を実際に見ながら、投資判断や市場変動への対応方法を学べるため、投資知識を積みたい人にとっても役立つ資料となると思います。
BMキャピタルの報告書は、投資初心者にもわかりやすく設計されているので、僕自身もこの報告書を通して学びが多かったです。
例えば、ある四半期の報告書で「なぜこのタイミングで特定の業界に投資を増やしたのか」「どんなリスクを見越しているのか」など、投資判断の理由や具体的な分析がしっかり書かれているんですよね。
こうした内容は、市場の動きに対してどんな視点でアプローチするかを学ぶのに非常に役立ちました。
また、マーケットの状況によってポートフォリオをどう調整しているのかも細かく説明されていて、具体的に「なぜこの株を増やし、逆にどの投資先を減らしたか」が記載されています。
こうした判断の背景を知ることで、「ああ、こういう視点でリスクをコントロールするんだな」と納得させられる部分が多々ありました。
個別の企業の分析に加えて、国ごとの経済情勢や金利の動向が今後の投資にどう影響するかも解説が入っており、これも勉強になります。
単に結果を伝えるだけでなく、具体的な判断プロセスまで示されているので、投資の知識をさらに深めたい人にとっても実践的な教材になると感じています。
2-2 向いてない人
BMキャピタルが向かないタイプの人についても整理しました。
2-2-1 資産が2000万円未満の人
資産が少ない方が無理してBMキャピタルに投資するのはおすすめしません。
最低投資額である1,000万円を捻出するのがギリギリという場合、まずは実業や本業で収入を安定させ、資産を築くことに注力したほうが良いでしょう。
インデックス投資をお勧めします。
2-2-2 自分で資産運用できる人
当然のことですが、もし自分でBMキャピタル以上の成績を出す自信があるなら、自分で運用をしたほうが賢明です。
ただし、ファンドマネージャーたちは超一流の経歴を持ち、東大やハーバードのようなトップ校出身で、ゴールドマンサックスやバークレイズなど一流金融機関で実績を積んできた精鋭が多いです。
中には天才数学者や、10代で資産運用を始め億単位を築いた経歴の持ち主もいます。
BMキャピタルのファンドマネージャーもそのようなトップクラスの人物が担当しています。
もし、あなたが、そんな天才たちがしのぎを削っている投資の世界で、BMキャピタルのファンドマネージャーよりも優れたパフォーマンスを発揮することができるのであれば、即刻転職することをお勧めします。
世界のトップファンドマネージャーたちは数千億円規模の莫大な報酬を得ているので、今よりもかなり稼げる可能性が高いはず。
『敗者のゲーム』の著者であるチャールズ・エリスも投資家が自身で運用する難しさを述べています。
以下エリス氏の言葉を引用します。
今日のマネーゲームは無数の相手との競争にさらされている。
ヘッジファンド、投資信託、年金基金など、何千にも及ふ機関投資家が一日も休むことなく激しい運用競争を繰り広げている。
こうした最大手の機関投資家の 番目でさえ、証券会社に対してニューヨーク、 ロンドン、フランクフルト、東京、香港、 シンガポールなど、世界中で年間—億ドルもの注文を出している。
要するに、私たちの売買相手は、圧倒的な情報・知識・経験を備えた大機関投資家だということを忘れてはならない。
そのうえ、 ファンド・マネジャーやアナリストという投資のプロは 「最も優秀な」人たちだ。
大学やビジネススクールでトップの成績を収め、勤勉で意欲的な人ばかりである。
投資家に情報を流すアナリストも同様だ。
もちろん、プロでもミスを犯すことはあるし、他の人たちはそのミスに乗じて利益を出す。
しかし、魅力的な投資機会などそうあるものではないし、あったとしても長くは続かない。
(引用:チャールズ・エリス「敗者のゲーム」)
ヘッジファンドについて詳しく解説している記事もありますので、興味があれば参考に見てみてください。
【ヘッジファンド徹底解説】ヘッジファンド100社以上を調査した現役法律事務員が語ります!2-2-3 3年未満の短期的な利益を重視する人
BMキャピタルは、バリュー投資を基盤とした長期的な資産形成を重視しています。
すぐに資産を増やしたい、短期で結果が欲しいという方には向いていません。
1年以内に成果を出したいとか、短期で売買を繰り返して利益を追求したい方には別の選択肢をおすすめします。
これはインデックス投資でも同様です。
2-2-4 爆益にしか興味がない人
BMキャピタルの手法は堅実で、リスクを抑えながら資産を着実に増やしていくスタイルですが、いわゆるテンバガー(株価が10倍になる銘柄)を狙うような夢の大化け銘柄にはまず手を出しません。
「資産を一気に倍にしたい」「借金を背負うかもしれないが、ギリギリを攻めて刺激を味わいたい」という方には合わないでしょう。
こうしたギャンブル性の高い投資がしたい場合は、個別株やFX、仮想通貨などハイリスク・ハイリターンの投資をお勧めします。
3 さいごに
いかがでしたでしょうか。
BMキャピタルは、短期間で一気に大きな利益を狙うものではないので、「一攫千金!」といった期待での投資には向いていません。
逆に、長期的な目線で着実に利益を積み上げていきたい、インデックス投資よりも高いリターンを目指したいという方には、BMキャピタルが向いているかもしれませんね。
プロの投資家ではない私たち一般人にとっては、リスクを抑えつつ年5〜10%程度の利回りを目指すのが現実的かつ賢明ではないしょうか。
この5〜10%という利回り、一見すると大したことがない数字に思えますが、これを長期で続けた場合の威力は侮れません。
例えば、年利5%で運用すると20年後には元本が約2.7倍に。
年利10%ならなんと6.7倍にも膨らみます。
こうしてみると、長期運用の素晴らしさがわかりますよね!
以下は、年利10%で1000万円を運用した時の資産運用シミュレーションです。
経過年数 | 金額 |
---|---|
現在 | 10,000,000 |
1年後 | 11,000,000 |
2年後 | 12,100,000 |
3年後 | 13,310,000 |
4年後 | 14,641,000 |
5年後 | 16,105,100 |
6年後 | 17,715,610 |
7年後 | 19,487,171 |
8年後 | 21,435,888 |
9年後 | 23,579,477 |
10年後 | 25,937,425 |
20年後 | 6,727,499.95 |
銀行に寝かせているだけでは得られない、この最低限の「複利効果」を得ることは、将来的な資産形成を考える上では本当に大切です。
『敗者のゲーム』の著者であるチャールズ・エリスも複利の効果の絶大さを言及しています。
以下エリス氏の言葉を引用します。
複利の効果は驚くほど強力だ。
それを物語る中東のおとぎ話がある。
一人の王様が自分の帝国の危機を救った将軍に感謝して、 「何でも望みどおりの褒美をとらせよう」 と言った。
将軍は遠慮深く、チェッカー盤(縦横8マス)の1マスに小麦1粒、次のマスに2粒、第三のマスに4粒、次は8粒と順番にマスを埋めてください、とだけお願いした。
王様は莫大な褒賞を与えずにすみそうだと思い、喜んでこの願いを受け入れた。
残念なことに、王様は複利効果の恐るべき力を知らなかった。
どんなものでも 回倍増させれば、際限なく膨れ上がる。
この話では、—粒から始めて2倍、4倍とチェッカー盤を埋めていった小麦の総量は、帝国全体の富をはるかに超えるものだった。
アラーの前での名誉を守るため、王様は彼の帝国すべてを将軍に差し出さねばならなかった。
(引用:チャールズ・エリス「敗者のゲーム」)
BMキャピタルについてさらに興味がある方は、以下記事も見てみてください。
【現役法律事務員が徹底検証】BMキャピタルについてわかっていることを全部網羅的に解説してみた